現代の社会は超高齢化社会

超高齢化社会における日本の歯科事情

背景として
  1. 現代では高齢者の口腔機能の低下低栄養状態の密接な関連性
  2. その改善のためのリハビリテーション法について歯科業界は求められています。
  3. 日本の歯科では、保険制度が導入されています。
  4. 外国における歯科医院は予防に力を入れています。
  5. 日本では数千円で済む、虫歯治療も外国では数万円かかることがあります。
  6. その金額の差はなにか。
  7. それが保険制度の恩恵といえます。
  8. その保険制度が、ご来院患者の口腔機能をしっかりと診ていきましょう。と訴えています。
  9. もちろん、自分の歯を残すことも大切であり、従来の歯科医院では治療をメインとしていましたが、今後はリハビリテーション(口腔機能の低下を防ぐ)ことも求められています。
  10. この記事では、高齢者になってもしっかりと食べ物を噛める。飲み込める。食への楽しみにより、人生を豊かにする、口腔機能の管理について記載していきます。
  11. 超高齢社会における健康寿命の延伸には、単に「歯を治す」だけでなく「機能を守る」ことが不可欠です。
  12. 「オーラルフレイル」は食べること、話すことといったお口の機能の「軽微な衰え」を指します。
  13. 口腔機能の低下を放置すると、食べられる食品が制限され、低栄養やサルコペニア(筋力低下)を招き、全身の健康を損なう悪循環に陥いる可能性があります。
  14. あなたの今。将来の表情が。
  15. 明るく、笑顔で溢れている未来を楽しみにしています。

口腔機能低下症(オーラルフレイル)とは

7つの指標のうち2つの指標が該当することで口腔機能低下症

口腔機能低下症(オーラルフレイル)の疑いがある人
  1. 歯科医院で受けることができる7つの検査を行います。
  2. そのうち、基準値を境に2項目が該当することで、口腔機能低下症(オーラルフレイル)と診断されます。
  3. 将来フレイルになるリスクが高い「オーラルフレイル」の状態にあると考えられます。
  4. 自覚症状として下記に当てはまるかたはオーラルフレイルの疑いがあります。
    • 自分の歯が19本以下である
    • 半年前に比べて固いものが食べにくくなった
    • お茶や汁物でむせることがある
    • 口の渇きが気になる
    • 言葉をはっきりと発音できない(滑舌の低下)
  5. これらの自覚症状を感じたら、「年だから」と放置せず、早めにかかりつけの歯科医院で相談することが推奨されています。
  6. 早めに気づくことで、お口のトレーニングをすることができます。
  7. 人生という長い期間において、筋力と同じようにお口の筋力も低下していきます。
  8. 幸せな人生を少しでも長く送ることができるよう、対策をしていきましょう。

①口腔衛生状態不良

口腔衛生状態不良の症状・対策
  1. 口腔衛生状態不良とは、お口の中の清潔さが保たれていない状態を指し、歯科医院での検査に基づき診断されます。
  2. 検査方法
    • 舌背(舌の表面)の微生物数を専用の機器(口腔内細菌カウンタ)で測定
    • または目視で舌苔の付着程度(TCI)を評価します。
  3. 舌苔がひどい状態ですと、口臭の原因にもなります。
  4. 全身の疾患としては、細菌が体内に入り込むことで、誤嚥性肺炎のリスクが上がります。
  5. 基準: 舌苔付着度が50%以上、または微生物数が一定レベル(レベル4)以上の場合に該当します。
  6. 対策
    • 舌ブラシの使用や効果的な歯磨き方法、歯科医院でのクリーニングを行うことで清潔にすることができます。

②口腔乾燥

口腔乾燥の影響・対策
  1. 口腔乾燥は単なる「喉の渇き」とは異なります
  2. 加齢や全身疾患、生活習慣などの様々な要因が絡み合っています。
  3. 主な原因
    • 加齢による機能低下。
    • 薬剤の副作用(抗うつ剤、抗不安薬など)が強く影響することがあります。
  4. 全身へのリスク
    • 唾液が減ることでお口の自浄作用が低下します。
    • その結果、口腔衛生状態が悪化(口腔不潔)したり、口腔カンジダ症の原因になったりします。
    • 低栄養への入り口: 唾液が不足すると「食塊(食べ物のまとまり)」が作りにくくなり、噛むことや飲み込むことに支障をきたします。その結果、食べられる食品が制限され、低栄養や全身の衰え(フレイル・サルコペニア)を招くリスクが高まります。
  5. 歯科医院では、主に以下の2つの検査のどちらか、または両方を用いて客観的に評価します。
    • 口腔粘膜湿潤度(口腔水分計による計測): 歯科医医院で専用の機器(ムーカスなど)を舌の表面に押し当てて、粘膜の潤い具合を測定します。測定値が27.0未満の場合、口腔乾燥と判定されます。
    • ②唾液量(サクソンテストなど): 乾燥した専用ガーゼを2分間噛み、その前後の重量変化から唾液の分泌量を調べます。2分間での唾液の増加量が2g以下の場合、口腔乾燥と判定されます。
  6. 対策と管理(トレーニング)
    • 服用薬の選定: 服用薬剤が原因と考えられる場合、歯科医師が主治医と相談し、薬の調整を検討することもあります。
    • 唾液腺マッサージ: 耳下腺、顎下腺、舌下腺といった唾液の出る場所を刺激するマッサージを、1日3回程度行うことが推奨されます。
    • 保湿剤の活用: アルコールフリーの口腔保湿液やジェル、スプレーを使用し、お口の中の潤いを保ちます。
    • 生活習慣の改善: こまめな水分補給よく噛んで食べる習慣、お口を動かす「口腔体操」などが有効です。

咬合力低下(噛む力の衰え)

咬合力低下(噛む力の衰え)の影響・対策
  1. 噛む力が衰えると、単に「硬いものが食べにくい」だけでなく、食生活の変化を通じて全身の衰えを招きます。
  2. 以前より「硬いものが食べにくくなった」と感じることは、オーラルフレイルのサインです。
  3. 早めに検査を受け、「一生おいしく食べるための噛む力」を維持することが、健康寿命を延ばすことにつながります。
  4. 体への影響
    • 栄養の偏り 噛みやすいお粥やうどんなどの炭水化物を主体として食事をするため、肉、魚、野菜などの摂取が減ることで、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しやすくなります。
    • 低栄養とサルコペニア 咬合力はBMI(体格指数)や握力(全身の筋力)と有意に関連していることが研究で示されています。咬合力の低下は低栄養状態を招き、筋肉量が減少するサルコペニアや、心身が衰えるフレイルサイクルの入り口となります。
    • 食欲の低下 食べられるものが制限され、食べる楽しみが減少することで、食への意欲そのものが低下してしまうこともあります
  5. 歯科医院では、主に以下の2つの方法で評価されます。
    • 咬合力検査(歯科用咬合力計による計測) 専用のフィルム(デンタルプレスケールなど)を3秒間しっかり噛みしめ、歯列全体の噛む力を測定します。
      • 判定基準: 使用する機器や分析法により異なりますが、代表的な基準は以下の通りです。
        • デンタルプレスケールⅡ(フィルタあり):350N未満
        • デンタルプレスケール(従来品):200N未満
        • Oramo-bf:375N未満
      • 注意点: 義歯(入れ歯)を使用している方は、装着した状態で測定します。
    • 残存歯数 口の中に残っている自分の歯の本数を数えます。
      • 判定基準: 20本未満(19本以下)の場合に咬合力低下と診断されます。(残根やグラつきの激しい歯は除きます)。
  6. 対策とトレーニング
    • 咬合力の維持・改善には、歯科治療と日々のトレーニングを組み合わせることが重要です。
    • 適切な歯科治療 義歯(入れ歯)の製作や調整、虫歯・歯周病の治療を行い、まずはしっかり噛める咬み合わせ」を調整することが先決です。
    • 咀嚼トレーニング チューイングガムやグミゼリーを用いた咀嚼訓練。しかし歯質が弱っていると、咀嚼トレーニングが原因で外れてしまう(抜ける・欠ける)こともあるので歯科医師、診断のもとトレーニングします。
    • 食事の工夫 スルメイカ、干し芋、ドライフルーツなどの歯ごたえのある食品を意識して取り入れ、1口につき20〜30回噛むなどの食べ方の指導を受けることが推奨されます。こちらも歯科医師、診断のもと行うことが推奨されます。
    • 継続的な管理: 歯科医院では、3か月ごとに咬合力検査を行い、トレーニングの効果を確認しながらモチベーションを維持する指導が行われます。

④ 舌口唇運動機能低下(お口の器用さ)

舌口唇運動機能低下の影響・対策
  1. 食べ物を上手にまとめたり、はっきりと話したりするための「お口の器用さ」を測る重要な指標です。
  2. 滑舌が悪くなったり、食べこぼしが気になり始めたら、それはお口の器用さが低下しているサインかもしれません。
  3. 定期的な検査を受け、「いつまでも楽しく話すことができ、おいしく食べるための器用さ」を維持しましょう。
  4. 全身や生活への影響
    • お口の器用さが低下すると、単に食事がしにくくなるだけでなく、精神的・社会的な健康(フレイル)にも影響を及ぼします。
    • 低栄養のリスク 唇や舌がうまく動かないと、食べ物を喉の奥へ送るための「食塊(しょっかい:食べ物のまとまり)」をうまく作れなくなります。これが原因で咀嚼や嚥下に支障をきたし、低栄養を招く一因となります。
    • 社会性の低下(社会的フレイル) 滑舌が悪くなると、友人との会話や外出を避けるようになりがちです。これが社会的なつながりの減少を招き、全身の衰え(フレイル)を進行させるきっかけとなります。
  5. 診断方法(検査方法:オーラルディアドコキネシス)
    • 「パ」「タ」「カ」の各音をそれぞれ5秒間、できるだけ早く繰り返し発音し、1秒あたりの回数を算出するものです。
    • 1秒間で「パ」を何回、「タ」を何回、発音できるかというものです。
    • 歯科医院では、これをオーラルディアドコキネシスと呼び、この検査を用いて評価します。
    • 判定基準: 「パ」「タ」「カ」のいずれか一つでも、1秒あたりの回数が6回未満の場合に、機能低下と診断されます。
  6. 対策とトレーニング
    • 機能の維持・改善には、毎日の生活の中で唇や舌を意識して動かすことが有効です。
    • パタカラ発音練習 「パ・タ・カ・ラ」をゆっくり、あるいは早くスピードを変えて発音する訓練が効果的です。
    • 舌運動や発音訓練 舌を前後左右に大きく動かしたり、早口言葉を大きな声ではっきりと言ったりする練習を行います。
    • 専用器具の活用 唇の筋力を鍛えるための「りっぷるとれーなー」や、吹き戻し(ピロピロ笛)などを用いた訓練も推奨されています。
    • 社会参加 家族や友人とおしゃべりをする機会を増やしたり、カラオケで歌ったりすることも、お口の器用さを保つための素晴らしいトレーニングになります。

⑤低舌圧(舌の筋力の低下)

低舌圧(舌の筋力の低下)の影響・対策
  1. 「食べこぼしが増えた」「薬が飲み込みにくくなった」と感じたら、それは舌の筋力が落ちているサインかもしれません。
  2. 舌は「食べる」「話す」といった動作の主役であり、その筋力低下は全身の健康に大きな影響を及ぼします。
  3. 定期的に検査を受け、「お口の筋トレ」を習慣にすることが、一生おいしく食べ続けるための秘訣です。
  4. 全身や生活への影響
    • 舌の力が弱まると、単にお口の問題に留まらず、全身の衰え(フレイル)を加速させる原因となります。
    • 低栄養の影響 舌の力が弱いと、食べ物を上あごに押し潰して細かくしたり、喉の奥へ送り込んだりする力が弱まります。その結果、食事内容が制限され、低栄養状態に陥りやすくなります。
    • 嚥下(飲み込み)障害 舌は飲み込みの際にも重要な役割を果たすため、低舌圧は「むせ」や「誤嚥(ごえん)」のリスクを高めます。
    • 滑舌の悪化 言葉がはっきり発音できなくなることで会話への意欲が減り、社会的なつながりが減少する「社会的フレイル」を招くこともあります。
  5. 診断の基準(検査方法:舌圧測定)
    • 歯科医院では、専用の機器(舌圧計)を用いて評価します。
    • 検査方法: 舌圧測定器(JMS舌圧測定器など)に繋げた「舌圧プローブ」をお口に入れ、舌と上あご(口蓋)の間で数秒間、力いっぱい押し潰してもらうことで、「随意的最大舌圧」を計測します。
    • 判定基準: 測定値が 30kPa(キロパスカル)未満 の場合に「低舌圧」と診断されます。
      • ※注意点: 義歯(入れ歯)を使用している方は、装着した状態で測定します。
  6. 対策とトレーニング(舌の筋トレ)
    • 低下した舌の力は、適切な訓練(リハビリテーション)によって維持・回復が可能です。
    • 抵抗訓練(レジスタンストレーニング): 舌を口蓋や指、専用の器具に押し当てることで負荷をかける訓練が最も効果的です。
    • 専用器具の活用 歯科医院では「ペコぱんだ」などの専用トレーニング器具を用いた指導が行われます。
    • 日常の動作 舌を思い切り前に出す「舌運動」や、舌を左右の頬の内側から強く押す動作、大きな声での「パタカラ発音練習」なども有効です

⑥咀嚼機能低下

咀嚼機能低下の影響・対策
  1. 「最近、食事が以前より硬く感じる」、「お肉が噛み切れなくなった」と感じる場合は、咀嚼機能低下のサインかもしれません。
  2. 「咀嚼(そしゃく)機能低下」は、食べ物を細かく噛み砕く能力が衰えた状態を指します。
  3. 早めに歯科医院で検査を受け、「一生おいしく食べ、健康を維持するための機能」を守っていきましょう。
  4. 全身への影響と「フレイルサイクル」
    • 噛む機能の低下は、単に「食べにくい」という不便さだけでなく、全身の衰えを招く深刻な要因となります。
    • 栄養バランスの偏り 噛む力が弱まると、肉や生野菜などの硬い食品を避け、お粥やうどんといった「柔らかい炭水化物」に偏った食事になりがちです。その結果、筋肉を作るために必要なたんぱく質や、ビタミン、ミネラルが不足してしまいます。
    • 低栄養と筋力低下 咀嚼機能の低下は、BMI(体格指数)の低下や低栄養状態に直結します。食事が不十分になると全身の筋力が低下し(サルコペニア)が発症。
    • さらに活動量が減ることで、より深いフレイルの状態に陥るという悪循環(フレイルサイクル)を招きます。
    • 食の楽しみの喪失 食べられる食品の種類が制限されることで、食事の時間が長くなったり、食欲そのものが低下したりして、QOL(生活の質)を損なってしまう原因にもなります。
  5. 診断の基準(精密検査の方法)
    • 歯科医院では、実際に食べ物(グミゼリー)を用いた以下の2つの方法のいずれかで評価します。
    • ① グルコース溶出量による咀嚼能力検査(専用機器による計測):
      • 方法: 2gの専用グミゼリーを20秒間自由に噛んでもらい、その後10mLの水でお口をゆすぎ、網(メッシュ)に吐き出します。その濾過液に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度を「グルコセンサー」という機器で測定します。
      • 判定基準: 測定値が 100mg/dL未満 の場合に機能低下と診断されます。
    • ② 咀嚼能率スコア法(視覚的な評価):
      • 方法: 専用のグミゼリーを30回噛んで吐き出し、その粉砕度合いを10段階(0〜9)の視覚資料(比較写真)と照らし合わせてスコア化します。
      • 判定基準: スコアが 0、1、2(あまり細かくなっていない状態)の場合に機能低下と診断されます。
    • ※グミゼリーを用いて検査を行うため、誤嚥(むせ)のリスクがある患者さんについては、実施の有無を慎重に検討します。
  6. 対策とトレーニング
    • 咀嚼機能は、歯科治療とリハビリテーションを組み合わせることで維持・回復が可能です。
    • 歯科治療による「噛み合わせ」の回復 虫歯や歯周病の治療、合わなくなった義歯(入れ歯)の調整や新製を行い、まずは「物理的に噛める土台」を整えることが基本です。
    • 咀嚼トレーニング:
      • 直接訓練: 市販のチューイングガムや訓練用グミゼリーを毎日噛む習慣をつけることが有効です。
      • 食べ方の工夫: 1口につき 20〜30回噛む ことを意識し、噛む回数を増やす指導を受けます。
    • お口の体操 頬や舌の動きをスムーズにするために、唾液腺マッサージや「パタカラ発音練習」なども合わせて行い、食塊(食べ物のまとまり)を作りやすくします

嚥下機能低下(飲み込む力)

嚥下機能低下(飲み込む力)の影響・対策
  1. 「お茶や汁物でむせることが増えた」というのは、体からの飲み込む力の低下における重要なサインです。
  2. 「嚥下(えんげ)機能低下」とは、食べ物や飲み物を上手に飲み込む力が衰えた状態を指します。
  3. 早めに専門的な検査を受け、「最期まで自分の口でおいしく食べる能力」を守っていくことが、健康寿命を延ばすための最大の防発となります。
  4. 全身への影響と「命に関わるリスク」
    • 飲み込む力の低下は、単なる「むせ」に留まらず、生命の維持に直結する重大な問題を引き起こします。
    • 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の誘発 食べ物や唾液が誤って気管に入ることで、お口の中の細菌が肺に達し、肺炎を引き起こします。口腔ケアの徹底と嚥下機能の管理によって、肺炎の発症率を大幅に下げられることがエビデンスとして示されています。
    • 低栄養と体重減少 飲み込みにくくなると、食事の時間が長くなったり、食べられる食品が制限されたりして、低栄養状態に陥りやすくなります。これにより、全身の筋肉が落ちるサルコペニアや、要介護状態となるフレイルが加速します。
    • 窒息のリスク 食べ物を喉の奥へ送る力が弱まるため、喉に詰まらせる危険性が高まります。
  5. 診断の基準(検査方法:問診票による評価)
    • 歯科医院では、実際に飲み込む動作を観察する前に、まず客観的な指標に基づいた2種類の問診票(質問紙)のいずれかを用いて評価します。
    • ① EAT-10(嚥下スクリーニングツール):
      • 内容: 「飲み込みの問題で体重が減少したか」「飲み込む時に食べ物がのどに引っかかるか」など10項目の質問に、0(問題なし)〜4(ひどく問題)の5段階で回答します。
      • 判定基準: 合計点数が 3点以上 の場合に嚥下機能低下と診断されます。
    • ② 聖隷式(せいれいしき)嚥下質問紙:
      • 内容: 15項目の質問に対し、症状の頻度をA(しばしば・たいへん)、B(ときどき・わずかに)、C(なし)で回答します。
      • 判定基準: 最も重い症状を示す 「A」の回答が1つ以上 ある場合に嚥下機能低下と診断されます。
    • ※嚥下機能低下と判定された場合、必要に応じて歯科医師は「反復唾液嚥下テスト」や「改訂水飲みテスト」などのスクリーニング検査を行い、さらに精密な診断が必要な場合は「嚥下造影検査(VF)」や「嚥下内視鏡検査(VE)」が検討されます。
  6. 対策とトレーニング(飲み込む力の強化)
    • 嚥下機能の維持・回復には、飲み込みに関わる筋肉を鍛える「間接訓練」
    • 食事内容を工夫する「直接訓練」の両面からのアプローチが有効です。
    • 間接訓練(食べ物を用いないトレーニング):
      • 嚥下おでこ体操 おでこに手を当て、おへそを覗き込むように下を向く力と、手で押し返す力で抵抗をかけ、喉の筋肉(舌骨上筋群)を鍛えます。
      • あご引き体操 両手の親指であごを押し上げ、それに抵抗してあごを強く引くことで喉の力を高めます。
      • 開口訓練 口をできるだけ大きく開けて10秒間キープし、飲み込みに必要な筋肉をストレッチします。
      • 呼吸訓練・咳嗽(がいそう)訓練 誤って物が入った時に強く吐き出す力を養うため、「ハッフィング」や「ブローイング(息を吹く)」練習を行います。
    • 直接訓練(食事の工夫):
      • 食事形態の調整 歯科医師や管理栄養士の指導に基づき、お粥や柔らかい食事、とろみをつけた飲み物など、現在の自身の食べれる環境に適した状態で摂取することを選択します。

楽しい生活。お食事を。

お口のトレーニングはより明るい未来へと導きます。
  1. 歯科医院の役割も治療だけではなく、患者様に寄り添うという劇的な変化がありました。
  2. 「削って治す」から「機能を守り、支える」場所へ:これまでの歯科医療は、虫歯や歯周病などの「形態の回復」が中心でした。
  3. しかし、これからは一人ひとりのライフステージに合わせ、食べる・話すといった「口腔機能の維持・向上」を長期的に管理する時代にも対応できるよう、転換しています。
  4. あなたの生涯のパートナーとして、歯科医院は単に痛みがある時に行く場所ではなく、人生の最期まで「おいしく食べ、楽しく話し、笑う」という日常の幸せを支えるパートナーとなります。
  5. 健康寿命の延伸への貢献:口腔機能の管理は、低栄養や全身のフレイル予防に直結します。2040年までに健康寿命を3年以上延伸するという国の目標においても、歯科の役割は非常に大きなものとなっています。
  6. 活気ある社会の実現:元気なお口でしっかり栄養を摂り、社会参加を続ける高齢者が増えることは、労働力不足や人口減少といった社会課題の解決にも間接的に貢献します。
  7. 今日から始める「健口(けんこう)」習慣として、自身の現在についてもう一度、考えてみませんか?
  8. ささいなサインを見逃さない:食べこぼし、むせ、滑舌の低下といった「オーラルフレイル」の兆候に気づいたら、それは体からの重要なメッセージです。
  9. 体からのサインが出た際には、一人で悩まず、歯科医院でも相談することができます。
  10. また、上記の7項目に該当するのか、振り返ってみることも大切かもしれません。
  11. 口腔機能低下症は、不治の病ではありません。
  12. お口の筋トレをすることで回復することができるので、諦めないでください。
  13. トレーニングをすることで、より、あなたの人生が輝くことは間違いないでしょう。
  14. そして定期的な「機能の健康診断」これからの新習慣として、半年に一度は歯科医院で口腔機能の精密検査(再評価)を受け、自分の現在の能力を客観的に把握することも視野に入れてはいいのではないでしょうか。
  15. 「一生おいしく、楽しく。」それは、誰にとっても共通の願いです。最新の歯科医療を賢く活用し、今日からお口のトレーニングや定期的なケアを始めることが、あなたの10年後、20年後の笑顔を作ります。
  16. 最後になりますが、自分自身のために努力をすることは、裏切らないことでしょう。
  17. あなたの行動。思考でこれからの人生を楽しく過ごすことができるか。
  18. もう一度、考えてみましょう。

 

注意喚起


※ 本記事は歯科材料業界の情報や一般的な文献情報をもとに作成していますが、診断・治療を目的とするものではありません。

※ 症状が疑われる場合は歯科医療機関を受診して、判断をいただきますよう、よろしくお願いいたします。