目次
歯茎さがりで悩んでいる方
そもそもなぜ、歯茎下がりで悩むことが多いのか
思いっきり、口を開けて笑えてますか?
- タイトルにも書いた通り、あなたは楽しい時や嬉しい時、思いっきり口を開けて笑えてますか?
- 実は、30代以上の約2人に1人、50代以上になるとほとんどの人が「歯茎下がり(歯肉退縮)」を自覚、または潜在的に抱えています。
- 歯科医院でも「見た目が気になる」「しみる」という相談は多いようです。
- 歯茎が下がることによって生じる、歯と歯と歯肉の間に広がる、黒い隙間が印象を悪くしています。
- 歯科業界では、そこに広がる三角形の隙間を「ブラックトライアングル」と呼び、改善できるよう日々、診療しています。
- また、歯茎下がりによる影響は、見た目だけでありません。
- 染みるといった、痛みの原因。
- デリケートな未加工素材がむき出しになる。(根面う蝕と呼ばれる危険な虫歯)
- 口臭の発生 この隙間に詰まった汚れは歯ブラシの毛先が届きにくいため、取り除くのが困難です。結果として、細菌が発酵して強い口臭の原因物質を生み出し続けます。
- 家で言うところの土台(基礎部分)が地上に出てきてしまっている状態です。
- そのため、有害な物質(家でいうシロアリ)における格好の餌になってしまいます。
- 歯茎下がりの主な原因は
- 歯周病による細菌の影響
- 歯ブラシや、歯間ブラシ等による、間違った使用方法。
- 噛み合わせや、歯ぎしりによる摩耗
- しっかりと対策することで、未然に歯茎下がりの影響を最小限に防ぐことができます。
- 治療方法は、外科のような手間がかかる方法でしか、改善できないとまでされています。
- 今の状態を悪化させないよう、この記事を機に対策してもらえると、あなたの笑顔に貢献できるような気がしています。
- 一緒に、歯茎に対して優しい対応を覚えていきましょう。
歯茎を下げる可能性がある原因
① 歯周病による細菌 (最も影響する)
歯周病菌による侵略
- 歯周病菌の数は「プラーク1gに1000億個」。うんちを超える超高密度バクテリア集団です
- 歯周病菌による歯茎下がりは、単に「菌が肉を食べている」わけではありません。
- 特に「P.g.菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)」をはじめとする悪玉菌は、歯茎を物理的にすり減らすのではなく、化学的・免疫学的なアプローチで歯茎の土台を崩壊させていきます。
- 実は「菌が出す化学物質(酵素や毒素)によって、歯茎という精密な接着構造がケミカルに溶かされ、破壊されていく現象」なのです。
- 歯周病菌が引き起こす2つの悪さ
- 歯茎の「シール機能」を破壊する(付着の喪失)
- 健康な歯茎は歯の周りをピタッと密着してバクテリアの侵入を防ぐ、最高峰の「生体シール(パッキン)」です。
- それを細菌の酵素はじわじわと破壊していきます。
- 隙間ができ、細菌の棲家になってしまいます。
- そうして、細菌が歯周ポケット深くに存在することで「内毒素(LPS)」という毒物質を撒き散らします。
- これ以上菌が体の奥(血管など)に入ってこないようにするため、防衛反応として、歯を支えている骨(歯槽骨)を自ら溶かして遠ざけようとします(骨の吸収)。
- 土台を失った歯茎の「地盤沈下」
- 材料の設計において、外装(歯茎)はそれを支える骨組(骨)があって初めて形を維持できます。 歯周病菌による慢性的な炎症のせいで、骨組である「歯槽骨」がじわじわと溶けて低くなると、その上を覆っていたカーテンのような「歯茎」も、支えを失って一緒に下がっていくしかありません。
- これが歯周病によって歯茎が下がる(露出する)本当のメカニズム、つまり「お口の中の地盤沈下」なのです。
- 歯茎の「シール機能」を破壊する(付着の喪失)
- つまり、歯周病菌は、多く存在し、骨を溶かして、歯茎が下がっていくわけです。
② 歯ブラシや、口腔ケアアイテム等による、間違った使用方法
外からの力で歯茎は下がる?
- 皆さんは、歯ブラシの硬さに種類があることをご存知でしょうか?
- 材料屋が最も「もったいない!」と感じるのがこれです。
- 良かれと思ってガシガシ磨いている行為が、実は歯茎を自ら削り落としています。
- 歯ブラシによる歯茎下りの影響
- 歯茎は、軟組織と呼ばれ、建物にあるコーキング(シリコンゴム)のような材質だと思ってください。
- そんなところを、毛先の固い歯ブラシでゴシゴシしてみてください。
- すぐ、ボロボロになってしまうのではないでしょうか。
- その、歯磨きの力によって歯茎は下がっていきます。
- また、毛先の開いた歯ブラシも歯茎に対しては悪い影響を与えます。
- 歯磨き粉に含まれる「粗悪な研磨剤」
- 市販の歯磨き粉の多くには、汚れを落とすために「研磨剤(清掃剤)」が含まれていますが。
- 研磨剤の粒子の性質が問題になります。
- 角の立った粗い研磨剤で毎日ブラッシングすると、歯と歯茎の境い目がまるでクレンザーで擦られたように削れていきます。
- 主な洗い研磨剤
- 炭酸カルシウム
- 水酸化アルミニウム
- 無水ケイ酸
- それぞれに、成功効率をあげるものであると同時に、その分、粒子が大きくなっていることもあります。
- その場合には、歯の表面にも、歯茎にも注意しながら、歯磨きをしていく必要があります。
噛み合わせや、歯ぎしりによる摩耗
噛み合わせや歯軋りでも歯茎は下がるの?
- 噛み合わせによっても、歯茎下り要因の一部と考えられています。
- イメージで言うと、歯の根元に力が加わり、悪影響を及ぼすという感じでしょうか。
- 歯の根元に応力が集中する
- 歯ぎしり、食いしばり、または噛み合わせのバランスが悪いと、歯に異常なまでの垂直・横方向の圧力がかかります。
- 歯は硬いですが、強い力がかかると目に見えないレベルで「しなり」ます。
- このしなりの力が一番集中する箇所、それが歯茎との境い目(歯頸部)です。
- 限界を超えた圧力がかかり続けると、根元のエナメル質や象牙質の結晶構造がミクロレベルでポロポロと崩壊し、それを覆っていた歯茎も一緒に下がってしまいます。
歯茎下がり対策
歯周病による細菌 (最も影響する) 対策
徹底的な菌の殲滅 と 口腔内環境を 整えましょう
- 「バイオフィルム(バリア)」を破壊する道具の選択
- 歯周病菌が数億〜数千億集まって作るネバネバの膜「バイオフィルム」は、殺菌薬を跳ね返す最強のバリアです。
- これをお風呂のぬるぬると同じように、物理的に「掃除」しなければ、どんな対策も意味がありません。
- それでは、物理的にバイオフィルムを破壊していくには、何がおすすめなのか。
- 歯間ブラシ・フロスの「材質」で絡め取る
- 歯ブラシの毛先が届かない「歯と歯の間(ブラックトライアングル)」こそが、菌の最大の拠点です。
- 歯ブラシだけでなく、「マイクロファイバー(極細繊維)」を高密度に編み込んだフロスや、ワイヤーに弾性のあるゴムが巻き付いた歯間ブラシを必ず併用します。高密度繊維が、菌のバリアを物理的にズタズタに引き剥がし、菌の数を一激減させます。
- バイオフィルム破壊後に投じる殺菌成分の選択
- 物理的にバリアを壊した直後、すかさず化学成分(薬液)を流し込み、生き残った菌の活動を止めます。
- 歯磨き粉や洗口液を選ぶ際は、成分表をチェックして以下の「狙い撃ち成分」が入っているものを選びます。
- 特に歯科において有効とされている成分とは、なんなのか。それは
- 殺菌成分「CPC(塩化セチルピリジニウム)」や「IPMP(イソプロピルメチルフェノール)」と歯科業界でも認知されています。
- これらは細菌の細胞膜にダイレクトにアタックし、菌を物理的に破裂(溶菌)させる優れた化学特性を持っています。
- 歯周病にならないためにも、抗炎症成分で歯茎をピシッと引き締めてあげましょう。
- 歯周病菌の毒素により体が、防衛反応として自ら骨を溶かしてしまう「骨の地盤沈下」。
- この免疫の暴走(炎症)を鎮める成分を投入してあげることで、口腔内環境も整えることができます。
- 抗炎症成分「β-グリチルレチン酸」や「酢酸トコフェロール(ビタミンE)」:
- これらは歯茎の血管を保護し、過剰な免疫細胞の暴走(炎症反応)をピタッと鎮める役割を持っています。
- 出血が見られる場合にも有効な成分で、日常使い推奨の成分とされています。
- 近年では、口腔内の細菌バランスに着目した、歯磨き粉がたくさん見られるようになってきました。
- ① 物理的にバイオフィルムを除去
- ② 殺菌剤入りの洗口液で徹底的に、菌を殲滅
- ③ 抗炎症成分入りの歯磨き粉で、お口の環境を整えてあげること。
- 上記3点が、歯周病による歯茎下り対策の有力候補として、考えられるでしょう。
② 歯ブラシや、口腔ケアアイテム等による間違った使用方法 対策
歯磨きをする力 と 自分に適したアイテム選び
- まず、初めにお伝えしたいことは、どんなアイテムよりも大切なことは、歯ブラシの当て方・力の入れすぎ注意です。
- 毛先が広がっている、歯ブラシは必ず、歯茎を傷つけますので、定期的に交換しましょう。
- 道具を変える:ナイロンではなく「PBT」という選択
- 歯ブラシ選びにおいて、多くの人が「硬さ(ふつう・かため)」ばかり気にしますが、材料屋が注目するのは「素材」です。
- PBT(飽和ポリエステル樹脂)
- 多くの歯ブラシはナイロン製ですが、ナイロンは吸水性が高く、時間が経つと水分を含んで毛先がふやけ、コシが抜けて「刃物」のように変形します。
- 対して「PBT(飽和ポリエステル樹脂)」という素材は、水はけが良く、乾燥が早く、細菌が繁殖しにくい性質があります。
- さらに、毛先を極細にしても折れにくく、歯茎を傷つけない「しなやかさ」を長期間維持できます。
- 材料屋のヒント: パッケージの裏を見て「毛の材質:飽和ポリエステル樹脂」と書かれているものを選んでください。これが歯茎を守るための「素材の防壁」になります。
- 歯磨き粉を変える
- 物理的除去から「化学的除去」へ。成分などにも着目してみましょう。
- 研磨剤(炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケイ酸等)で歯茎を削り取ってしまうリスクを避けるため、研磨剤フリーに変えることも大切なことです。
- 特に、海外製品には、着色がかなり落ちます。というものがありますが、そういった類の歯磨き粉には、注意が必要です。
- 成分名だけでは、判断できず、研磨剤の形状までは、記載がないためです。
- フッ素だけでなく、抗炎症性分や殺菌剤(IPMP・CPC)など入りの歯磨きへ切り替えることも効果があります
- 汚れを物理的に「削り落とす」のではなく、化学成分で「浮かせて流す」タイプを選びます。
③ 噛み合わせや、歯ぎしりによる摩耗 対策
歯科医院へ通うことで現状を知ろう
- 応力を管理することが大切です。
- 食いしばりという「破壊エネルギー」を逃がす。
- 歯茎下がりは、日頃の歯への負担(ストレス)からも起こります。
- 痛みが出た際に、歯科医院で、噛み合わせや歯ぎしりの疑いがある。と言われたことはありませんか?
- 就寝時や無意識のうちに、そういったストレスを歯にかけてしまっている可能性があります。
- 対策としては
- ナイトガード(マウスピース)の活用
- マウスピースの需要は、どんどん増えてきています。
- 就寝時の食いしばりは、歯の根元に凄まじい破壊エネルギーを集中させ、エナメル質をポロポロと崩壊させます。
- スポーツや、筋トレにも力を使う際、食いしばってしまうことがあります。
- これを防ぐためのマウスピースは、単なるプラスチックの板ではなく、歯にかかる荷重を全体に分散させるための「構造分散デバイス」なのです。
- 歯科医院での咬合調整
- 日本顎咬合学会 という噛み合わせや、歯軋りに対して研究を重ねている団体もあります。
- 歯科医師の先生は、そこで学んでいるかたもたくさんいます。
- そのため、噛み合わせに対する知識が豊富で、歯科医院では、調整をしてくれることもあります。
- 痛みの原因として、咬合を診ることがありますが、今では全身の疾患にも起因するとされています。
- 一度、歯科医院で食いしばりや、歯ぎしりの疑いがないか、確認してもらうことも大切かもしれません。
終わりに
あなたが後悔しないために
- 一度、下がってしまった歯茎は、なかなか戻りません。
- 日常生活における歯肉退縮のリスクを限りなく減らす、必要があります。
- 下がってしまった方でも、今から対策をしていきましょう。
- 少しでも歯肉退縮の進行を食い止めることができれば、症状も現れにくくなることでしょう。
- まずは、歯茎が下がる原因
- 歯周病菌による細菌
- 口腔ケアアイテムの間違った使用方法
- 歯軋りや噛み合わせによって作用する力の影響
- 今日から考え直す4つの基本
- 徹底的なバイオフィルムの除去
- 細菌の温床をなくすこと。
- 適切な口腔ケアアイテムの使用方法
- 無理な力が加わっている時には、歯科医院での受診
- 上記のような対策をすることで、現状より悪くなることは、極端に減るはずです。
- 歯茎が下がってエナメル質の装甲を失うと、デリケートな未加工素材である「象牙質」がむき出しになり、お口の中の構造物全体の耐久性が一気に低下してしまいます。
- それほどに歯茎は、大切です。
- だからこそ、これ以上「地盤沈下」を起こさないために。
- 私たちが持っている、天然のバリアを守るために。
- 一生物の財産を、しっかり管理して、大切に生きていきましょう。
注意喚起
※ 本記事は歯科材料業界の情報や一般的な文献情報をもとに作成していますが、診断・治療を目的とするものではありません。
※ 症状が疑われる場合は歯科医療機関を受診して、判断をいただきますよう、よろしくお願いいたします。